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2004年01月21日芥川賞カテゴリー[文学]こんばんは。もはや波状言論の告知で患わされることなく、blogを快調に更新できる東浩紀です。先日は、北田鼎談の予習を兼ねてディズニーシーに行ってきました。外界との連続性をあえて残したと言われる、東京の夜景が見れるポイントも見学してきました。……とかいって、これも波状言論の話ですね。ではそれはまたいずれ。 ところで、僕がディズニーシーで遊んでいるなか、世の中は芥川賞で大騒ぎだったようです。そういうわけで、東さんはどう思うの?と尋ねられる機会がけっこうありました。それで記しておきますが、僕は今回の受賞劇には、ちょうど5年前のあのときと同様、ウンザリするだけで何も意見はありません。受賞のお二人には、おめでとう、の言葉があるのみです。 ただし、別に驚いたことがあります。それは、おおかたがネタ的な使い方(ex. そのこ症候群)だとはいえ、ウェブで若い人たちがずいぶん芥川賞に関心を向けていることです。思い出すに、いまから10年前、まだ大学生だったころの僕は芥川賞にはほとんど関心がありませんでした。年2回あることも知らなかったし、当時『批評空間』の言説にたっぷり染まっていた僕は、根拠なく、本当にすごい作家は芥川賞なんて取らないんだと信じてました。そして同時に、本当にすごい批評家は文芸誌にも論壇誌にも書かないものだと信じてました。そんな美学はいまだに僕に取り憑いていて、こうやって書いていてもウンザリしますが、とりあえず、東大表象関係でもサブカル関係でも、当時の僕のまわりで芥川賞なんてネタにすらなっていなかったことは事実です。それがどうしてこうも変わってしまったんでしょうね。そのことには少し関心があります。 他方で、僕のいまの文学的関心は、芥川賞などよりも『ファウスト』の動向に向いています。西尾維新や佐藤友哉は今回の受賞作家と同年代です。マスコミは、かつて平野啓一郎を天才と呼んだように、今度は彼らをもちあげているわけですが、僕は、西尾や佐藤、それに年がちょっと離れますが舞城王太郎を加えた『ファウスト』のコアメンバーのほうが、未来の文学を担う作家として有望だと思います。純文学とエンターテインメントの違いなど関係ありません。そして実際、ここ1、2年、佐藤や舞城は文芸誌にも掲載されるようになりました。ようやく才能ある作家が正当に評価される時代が来たのかと思ったものです。 しかし、今回の騒ぎを見るかぎり、文芸業界はまたもやくだらないスターシステムで延命を図るつもりのようにも見えます。もしそうだとすれば、僕はそれには軽蔑しか感じません。だからネタにもしません。 いずれにせよ、僕にできることは、僕がすばらしいと信じるものが正当に評価される状況を作るべく、言説で多少とも世の中を変えていくことです。僕は、批評家として、別のところから、別の仲間とともに、別の市場を使って文学を変えていくことになるでしょう。『ファウスト』がその出発点となればよいのですが。
投稿者:
hazuma
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blog watch 2004/02/01 綿矢りさと芥川賞
概要: 芥川賞 hirokiazuma.com ...思い出すに、いまから10年前、まだ大学生だったころ...僕は、根拠なく、本当にすごい作家は芥川賞なんて取らないんだと信じてました。そして同時に、本当にすごい批評家は文芸誌にも論壇誌にも書かないものだと信じてました。 確かに、...
ブログ名:SPIKE BLOG
投稿時刻:2004年02月01日 21:11
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コメント
「5年前のあのとき」って何ですか?
投稿時刻: 2004年01月22日 02:53
たぶんオスカーがお金をたくさん払っての受賞なので、批評が介在する余地はないです。
投稿時刻: 2004年01月22日 06:05
はじめまして。
一月近くも前のblogにコメントを投稿してもいいものかどうかわからないのですが、場違いだったらごめんなさい。
今回の芥川賞は色んなところで批判されていて(ウェブでは主にけなされていて)、このblogなどを見て、僕も受賞作を読む気がしなくなった。
けど、今日、綿矢りさの『蹴りたい背中』を読んだらおもしろかった。
同年代の読者として佐藤友哉もおもしろいが綿矢りさもおもしろい!と胸をはって言いたいです。
何言ってんだって感じでしょうが、勘弁してください。
ただファウストのファンでこのblogなんかをみて読まずに黙殺している人は、一度『蹴りたい背中』に萌えてみてはいかがでしょうか?
投稿時刻: 2004年02月15日 00:32
連続書き込み申し訳ありません。
これまたどうでもいいことでしょうが、自分の名前を間違えてしまいました。
投稿時刻: 2004年02月15日 00:35