kajougenron : hiroki azuma blog
about
ここは、批評家・東浩紀が運営するブログサイトです。東浩紀の経歴や業績については、当ブログの親サイトに情報があります。hiroki azuma portalをご覧ください。
navigation
カテゴリー
critique [73 items]glocom [15 items]
hajou [20 items]
misc [35 items]
moblog [30 items]
recent works [14 items]
entry navigation
blog entry
ライブドアとオウム?
投稿日時:2006年01月20日04:56
二層構造論はちょっとブレイク。以下は思いつきなので、あまり深刻に捉えないように(笑)。
ライブドアショックが連日マスコミを賑わしているが、僕が勤めているGLOCOMはまさにその六本木ヒルズの近くの小さなビルにある。今日はそのGLOCOMの東研の定例ミーティングだったのだが、終了後の定例飲み会で濱野智史くんが「ライブドアショックはオウム真理教事件に相当するのではないか」と言い出した。
これはなかなかいい指摘のように思った。オウムは、1990年代前半の脱社会的存在がひきつけられたカルトとして急成長した。同じように、ライブドアと、その教祖=堀江が巻き起こした熱狂は現代のカルトだったと言えるのではないか。
R30さんが書いているように、ライブドアは、日本の保守的な株式市場からはみ出した個人投資家の欲望に適合した企業として特異な発達を遂げた。オウムが1990年代前半の脱社会的欲望を集めたように、ライブドアは2000年代前半の脱社会的欲望を集めたわけだ。そして、オウムもライブドアもそこからの革命を夢見た。麻原が選挙に出て失敗したように、堀江も選挙に出て失敗した。麻原も堀江も一部知識人に支持された。オウムがロシアから武器を買ったように、ライブドアはロシアから宇宙船を借りようとした。そして、旧世代からすれば、ともに「なぜみんなあんなのにだまされたの?」こそがもっとも大きなナゾだ。
この連想は無責任な思いつきにすぎない。あくまでも冗談だが、とはいえ、そんな連想を働かせると、今年は1995年に相当する節目の年になるという気がしてくる。
熱狂的なデイトレードは、いまの日本社会が構造的に生み出したものだ。同じように、カルトへの沈潜も日本社会が構造的に生み出した。1990年代前半のカルト信者の位置は、2000年代前半の個人投資家へと受け継がれた(誤解のないように言うが、これは別に個人投資そのものがカルトだという意味ではない)。両者はともに、大澤真幸の言葉を使えば、「アイロニカルな没入」で特徴づけられる。だとすれば、かつて宮台真司が「オウムにはまらず終わりなき日常を生きる知恵」を説いたように、今後は「個人投資による一発逆転の夢を見ずに終わりなき日常を生きる知恵」が必要になるのかもしれない。
comments
コメント