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ちょっとした感想

東浩紀です。「情報環境論集」の初校ゲラ作業中です。

さて、久しぶりに、告知ではない投稿です。

文學界新人賞を円城塔さんというかたが受賞しました。実は先日、この円城さんにはSFセミナーの席でお会いしました。なぜそんなところで会ったかと言うと、実は彼は今月早川Jコレクションから単行本を出版するのです。なぜそうなっているかというと、このかた、昨年の小松左京賞に応募されていた方なんです。その最終候補作の単行本化の話を進めていたら、なんと文學界の新人賞を獲ってしまったという。単行本のほうは「Self-Reference Engine」というタイトルで、いかにも僕が好きそうな感じなので、楽しみです。

他方で、群像評論新人賞の優秀作を、橋本勝也さんという方の村上春樹論というか、セカイ系論が獲りました。こちらは、SFマガジン主催の第2回SF評論新人賞で落選した評論のようです(あるブログで確認したとの情報がありました)。SFマガジンの選評は読んでいたので、僕もそうじゃないかな、と思いました。このかた、僕の本をたくさん引用してくれているようで、第1回の応募作から名前は伝わってきていました。

僕はお二人の受賞作をまだ読んでいないので、単純にゴシップ的な感想になりますが、この春に「純文学」が送り出す新人二人がともにそんな出自のひとというのは、やはりなんかこう、すごいことになってきたなあ、と思います。とくに、SF評論新人賞は、期せずして群像評論新人賞より選考基準が厳しいことが明らかになってしまったわけですが(笑)、それでいいんでしょうか。来年以降がいろいろ心配です。

そういえば、SFと言えば、たいへん光栄なことに、来年より3年間、日本SF大賞の最終選考委員に就任することになりました。日本SF大賞といえば、この数年間、パーティに潜り込んで有名作家に交じりながら娘を遊ばせたり、ただ酒を飲んだりできる、僕にとっては大切なリクリエーションの場だったわけですが、来年からしばらくそうは行かなくなってしまいました。重責を感じるとともに、ほかの選考委員の方々がとても大物なので、かなり緊張しています。

しかし、どうせなら受賞してから選考委員になりたかったなあ……。いや、そんなことはありえないから、これでいいのか。というか、そもそも僕のような無知な人間が日本SFの頂点を選考していいのでしょうか。ちょっと複雑な気分です。


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