kajougenron : hiroki azuma blog
about
ここは、批評家・東浩紀が運営するブログサイトです。東浩紀の経歴や業績については、当ブログの親サイトに情報があります。hiroki azuma portalをご覧ください。
navigation
カテゴリー
critique [109 items]glocom [17 items]
hajou [22 items]
misc [68 items]
moblog [30 items]
recent works [25 items]
zatsudan [1 items]
entry navigation
blog entry
情報環境論集とまたもや愚痴
投稿日時:2007年05月23日07:41
5月も後半になりました。まだ早い告知ですが、7月初頭に「東浩紀コレクション」の第2巻「情報環境論集」が出版されます。
第2巻は、タイトルに示したとおり情報社会論系のテキストを集めた本で、第1巻よりはまとまりがあります。第1部は2002年から2003年にかけて『中央公論』に連載された「情報自由論」、第2部はもう10年近く前に『InterCommunication』で連載された「サイバースペースは何故そう呼ばれるか」、そして第3部には2006年の『InterCommunication』に掲載された「情報社会を考えるキーワード20」が収録され、全部で400頁くらいの本になる予定です。
「情報自由論」も「サイバー」もともに、出版社から単行本化を強く勧められながらも、内容に満足できず一度は書籍化を諦めたものです。単発での刊行はいまでも考えられないので、今回、このように論集に収めることできて、よかったと思っています。僕の情報社会論系の議論は、実はオタク論や現代思想に較べてもかなりアクセスしにくいので、この本の出版で読者が拡がってくれるのを期待しています。
情報社会論系の話は、「サイバー」と「情報自由論」の二回挑戦してともに挫折しているわけで、著者としては忸怩たるものがあります。したがって再挑戦するつもりです。この夏のメインの仕事はMouRa連載中のギートステイトで、あれはあれで年内には単行本化される予定なのですが(実はそうだったのです、だから僕は今年は8冊出版になるのかも!)、それと並行して、小説世界と密接な連携をとりながら、僕自身の情報社会=現代社会のビジョンをまとめる新しい本を書き始めようと思っています。まあ、例によってあまり期待はできませんが……。
■
さて、ここからが愚痴。実はその新しい本、タイトルを「情報社会の思想」とするつもりで、編集者にもそう伝え、昨年秋から講演や授業はそのタイトルで行ってきました(現時点でこのタイトルでググると僕関係のページが出ます)。ところが、今月末、きわめて身近なところからそれとそっくりなタイトルの本が出ることが判りました。えー、さすがにそりゃねえだろう、と思いましたが、単に偶然かもしれないし、いずれにせよ仕方がない。ただ、あとで「情報社会の思想」を出版して、向こうのタイトルをパクったと思われるのも癪なので、ここに記しておきます。
以前はこういうときも、「まあ、批評家なんてアイデアをパクられてなんぼだから、鷹揚に構えるか」と思っていたのですが、最近、やっぱり主張するべきことは主張しておこう、そうじゃないと損するだけだ、と思うようになりました。確かに評論のタイトルの自由度はきわめて狭いし、同じ時代に生きていれば同じ事象に目を向けるのはわかるのだけど……、でもねえ。これは僕の基準ではやらない行為かなあ。
あ、書いていたら思い出したので、ついでに。こちらはオタク系、というかSF/ラノベ業界の話ですが、どうやら元波状言論のスタッフで、「東浩紀はケチで、一年間バイトしたけれど飯を一回も奢ってくれなかった」と言って同情を買っているひとがいるようです。けれど、言うまでもなくこれは単なる嘘で(あまりにくだらない嘘だけど)、たぶんほかの彼の発言も似たようなものです。
むろん、僕と彼では、現時点では僕のほうが業界内的な立場が強い。したがって、こういう(いわば)「逆パワハラ」への対応はきわめて難しいものがあります。ちょっと対応を間違えると、逆に僕が加害者になってしまう。そういう面倒くささもあって、いままではこの種の攻撃に対しても、「まあ、一時期彼をかわいがっていたことは確かだし、年下なんだから許すのが大人か」と受け流すことにしていました。しかし、基本的には相手もれっきとした成年なわけだし、なによりも嘘はよくない。彼の発言を信じて僕を悪く思っているひともいるらしいので、今後はそれなりに対応することにしました。先日筒井康隆さんにお会いして、ちょっと(もっと一般的な話として)相談したら、「東くんは文筆家なんだから言葉の暴力には言葉の暴力で闘え」と激励されました。
上記の件といい、この件といい、最近は小さなストレスが溜まりがちです。まあ、仕事をしているかぎり、どんな仕事でもトラブルはつきものですが……。文筆業って、疲れる職業ですねえ。
■
ずいぶん変な話になってしまいましたが、いずれにせよ、まずは「情報環境論集」にご期待ください。続けて「ギートステイト」、「ised」と、今年後半はぐっと情報社会論系の仕事が続くはずです。
comments
コメント