kajougenron : hiroki azuma blog
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ここは、批評家・東浩紀が運営するブログサイトです。東浩紀の経歴や業績については、当ブログの親サイトに情報があります。hiroki azuma portalをご覧ください。
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「ゼロ年代の想像力」
投稿日時:2007年05月25日07:13
続けて。
宇野常寛さんが『SFマガジン』7月号で連載を始めた「ゼロ年代の想像力」を読みました。第1回はほとんど東浩紀批判なのですが、この批判には一定の説得力があり、そのような批判が自分より7歳下から出てきたことを嬉しく思います。
僕のほうからの彼への反論、というか返答としては、僕自身もまた彼の指摘する問題(ひとことで言えば「セカイ系」的想像力の古さ)は判っているつもりであり、だからこそ、それを乗り越えるために、今年はいままでの仕事をまとめて出版したり、ギートステイトを始めたりしている、という答えになります。
そもそも、『ゲーム的リアリズムの誕生』『美少女ゲームの臨界点』を含め、僕がこの数年行ってきたオタク系批評の背景にあったのは、放っておいたら忘却されるかもしれない、そして実際にされつつある1990年代後半的想像力の可能性をきちんと言語化しようという意図でした。だからこそ、それが売れているかいないかには関係なく、新伝綺とは距離を取らざるをえなかったし、いくつもの重要な作品を無視せざるをえなかったという事情があります。したがって、僕の状況認識そのものは、宇野さんが考えているよりは宇野さんに近いはずです。しかし、以上によって、宇野さんの問題提起の鋭さが鈍るわけではありません。
むろん、まだ連載第1回目なので、宇野さんの批評家としての実力のほどは判りません。連載の全体計画は示されていますが、僕の経験からすると、連載冒頭のそのような計画はたいてい崩れるものです。しかし、ともかくこの第1回は、刺激的な原稿だと思います。
宇野さんはこの原稿のなかで「東浩紀の劣化コピー」という言葉を使っているのですが、最近の僕はまさに、彼がそう呼んでいるであろうひとたちの言動にウンザリして、批評家としてのエネルギーを失いつつありました。宇野さんの原稿は、そんな僕に久しぶりにやる気を与えてくれました。こういうエントリを書くと、また変な業界読みをするひとがいるかもしれませんが、もはやそんなのもどうでもいい。単純に嬉しいので、ここに記しておきます。
あとは連載を楽しみにしています。
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