kajougenron : hiroki azuma blog
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文化庁レベル低すぎ!
投稿日時:2007年07月04日16:18
こんにちは。
僕の原稿が
http://plaza.bunka.go.jp/museum/beyond/vol1/
に掲載されました。ご覧のように、「文化庁メディア芸術プラザ」なるサイトのなかのコラムで、クール・ジャパン政策の質の低さを批判した文章なのですが、なんと、その掲載で「検閲」というか、たいへんレベルの低い編集作業を行われてしまいました。
上記エントリは、先方が自主的に削除してしまうかもしれません。そのときのために画像を上げておきますと、現在(7月4日午後4時)の上記ページは、下記スクリーンショットのようになっています。(エントリ公開後、見栄えの問題で午後6時18分のFirefoxのスクリーンショットに変更)
http://www.hajou.org/img/bunkacho200707161547.jpg
それに対して、僕が6月19日の時点で見せられた公開用サイトのイメージ(いわゆる著者校)はこうなっていました。
http://www.hajou.org/img/beyond_vol1
第三段落末尾がポイントです。著者校の段階では「海外からのお墨つきがなければなにもできない、日本の政策担当者の無力を証明している。」となっていた文章が、公開時には「海外からのお墨つきを大事にする、日本の政策担当者の独特のスタンスを証明している。」に変更されています。むろん、僕の確認などはありません。
うわあ……。意図わかりすぎ……。
このサイトを文化庁の下請けで作成しているのは、月刊誌も出版している、株式会社インフォバーンさんです。そちらの編集者さんからは、昨日(7月3日)午後3時の時点でもメールが来ていたのですが、この修正には一切触れていませんでした。ついさきほど、僕がこのサイトを見て、「検閲」に気が付いて驚愕し編集者さんに電話して抗議をしたところ、僕が言い出す前から「途中の一文の話ですね」と答えが返ってきたので、なんだ知っていたのか、とさらに怒りが深くなりました。彼女の答えは要領を得ないものでしたが、その修正が文化庁の担当者からの要望に基づくことを示唆していました。なお、そこで、結果的にこういう無断修正が行われた以上、著者としても自分の著作物を守るためにそういう編集をされたということはネットで公開する権利があると思うので、よろしくとは伝えておきました。
確かに、編集者が語句を修正することはあります。僕も新聞や週刊誌ではいろいろ仕事をしているので、ギリギリの局面で編集者が文章に手を入れて、事後承諾になることはよく承知しています。たいていはそれでオッケーです。
しかし、今回の問題はそういうことではない。この事例では、いみじくも、知的財産権がどうとか言っている文化庁と、『サイゾー』で威勢のいいことを言っている出版元である名のある企業が、まさにその知的財産権がどうとか言っているサイトにおいて、著者の了解なく著者の文章を、それもまさに官僚批判の文面を和らげるかたちで書きかえ、さらにその変更を著者にまったく知らせず、しかもおそらくは、「こんな変更、著者も忙しいから気が付かないだろう」というスタンスでスルーしようとしていたわけです。こりゃ、さすがにまずいでしょう。著者や読者を舐めるにもほどがある!
僕だって、文化庁のサイトでクール・ジャパン批判をすれば、編集段階でなにか修正要求が来るかな、ぐらいは思っていたわけです。そして、別にそれにはそれで対応しようと思っていた。ところがそういう相談が一切なく、こんなレベルの低い無断修正をやってくるとは! 官僚と仕事をしていると、こういうところばかり気に掛けるようになるんでしょうか。こんなことをやっても文章の大意は揺るがないと思うけど、きっと、エッセイの全体なんてだれも読んでないんでしょう。
僕のまわりでもクール・ジャパンに関わっているひとがいっぱいいるみたいだけど、彼らはこういうことされても怒らないんでしょうか。いずれにせよ、みなさん、こういうところに文章を出すときは一字一句までチェックしたほうがいいです。
ちなみにこの短い文章、原稿料は5万円です。文字数の割に原稿料が高いので引き受けましたが、やっぱりそういうことはやるもんじゃないです。請求書を送っていなかったので幸いです。むろん、原稿料などもらいません。
とにかく、頭が悪く品性が悪い話です。検閲やりたいのなら、ちゃんと正面切ってやってほしいものです。そのほうがまだいい。原稿料はもらえなかったけど、文化庁とかクール・ジャパンのレベルが見えたということで、社会的な使命は果たせたのかもしれません。僕たちが住んでいるのは、こんな国ですよ。
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