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新潮10月号で小説を書きました
投稿日時:2007年08月31日03:25

いままでこっそりと進行してきたのですが、9月7日発売の『新潮』で、桜坂洋さんとの共作中篇小説「キャラクターズ」(200枚)を発表します。上記表紙画像にあるとおり、巻頭掲載です。
内容については、僕と桜坂さんの文学観をあるかたちで表明したもの、という以上には説明できません。批評家としてこの作品に論評を加えることは可能ですが、今回は僕は共作者であり、小説そのものを書いているので、それは控えておきます。
かわりに、『新潮』編集長の矢野優氏が、新潮社の広報誌『波』に寄せた紹介文を引用しておきます。
異色の作品を掲載する。ポストモダン世代を代表する批評家、東浩紀氏とライトノベル作家、桜坂洋氏の合作による小説『キャラクターズ』(200枚)。近代文学の基盤をなす三角形=私・性・死への<脱構築>が前代未聞の形で決行された。支持であれ批判であれ、読者の幅広い反応を期待する。
……というような作品です。
■
共作ですから、この作品には桜坂さんの思いも入っています。しかし、それをあえて横に措いて僕個人の思いを記せば、つぎのような感じです。
僕は、まだ『批評空間』で仕事をしていた20代のときから、長いあいだ、日本の文学や批評は変わらなければならない、と思い続けてきました。そして、ジャンルが変わるというのは、書き手が変わることではなく、また語彙やスタイルが変わることでもなく、最終的にはその読者が変わることを意味します。僕は、それから10年のあいだで、批評については、あるていどその望みを実現できたと感じています。
しかし、文学については、相手があまりにも大きく、その思いはつねに現実の前に敗北してきました。『新現実』も『ファウスト』も、僕は「文学を変えたい」という思いがあったからこそ、参加し支持しました。そして、今回ふたたび、新しい戦線で、新しい戦略で文学に風穴を開けようとする試みが、この小説です。
僕がこんなことを記すと、賢さとシニカルさを混同し、業界事情に通じた多くの人々によって、すべてがネタとして回収されそうな気がします。しかし、『存在論的、郵便的』の読者であれば知るように、僕はこういう局面では、愚直なまでに真剣で、むしろそういう愚直さこそが売りの書き手なのです。『キャラクターズ』は、普通に読めばかなり複雑で、仕掛けとアイロニーに満ちたメタ小説ですが、別の観点ではとても愚直な、驚くほどわかりやすい小説のはずです。
いずれにせよ、東浩紀初めての小説です。ちょっとぐらい期待していただけると、批評家としても嬉しく思います(笑)。
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