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セカイとセカイ系(創元の無意識?)

東浩紀です。

東京創元社の『ミステリーズ!』で新しい連載を始めました。SF論です。

さて、それはいいのですが、困ったことに、入稿時の連載タイトルと印刷されたタイトルが違っており、それが読者のあいだで誤解を生む可能性があるので、ここで書かせていただきます。

『ミステリーズ!』での活字では、表紙、目次、そして実際の原稿のページでも、すべて連載タイトルが「セカイ系から、もっと近くに!」になっています。

しかし、僕の入稿の原稿、そしてゲラでチェックした著者校でも(僕は実は、こういうときのために校正のファックスを刊行までとっておく習慣があって、そのためそれは証明できます)、タイトルは一貫して「セカイから、もっと近くに!」で、いちどもそれを「セカイ系」にしたことはありません。つまり「系」が入っていなかったのです。

僕の読者ならわかってくれると思うのですが、「セカイから、もっと近くに!」と「セカイ系から、もっと近くに!」では、かなり違う含意をもちます。なぜなら、後者は単純にセカイ系小説批判という感じですが、前者はもう少し抽象的な問題提起——つまり、「セカイ」という問題は認めたうえで、そのむこうを考える、したがって単純なセカイ系小説批判ではないというニュアンスをもつはずだからです。

なぜこのようなミス?が生じたのかは、いま編集部に問い合わせ中です。ただ、いずれにせよ、いま印刷されているタイトルは、僕の書いたものとは違ったものです。今後、もし連載が続くとすれば、タイトルは「セカイから、もっと近くに!」に修正されるはずです。ですから、読者のみなさんも(といっても、『ミステリーズ!』の読者でこのブログを読んでいるひとはわずかでしょうから、こんなふうにいっても焼け石に水かもしれないですが)、そのように考えてください。

それにしても、著者校の段階ですらなかった「系」がなぜ、どのような過程で加わったのか、ここには、『ミステリーズ!』という雑誌の無意識が微妙に現れているような気がします。少なくとも、そのような深読みを許す余地のある「ミス(テリー?)」ではあるでしょう。

取りいそぎ、告知と修正でした。


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