kajougenron : hiroki azuma blog
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ここは、批評家・東浩紀が運営するブログです。東浩紀の経歴や業績については、hiroki azuma portalをご覧ください。
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第23回早稲田文学新人賞選考委員に就任しました
投稿日時:2008年07月22日01:06
標題のとおりです。
次回、すなわち第23回早稲田文学新人賞選考委員の就任が決まりました。同賞は選考委員がひとりなので、ぼくだけが選考委員ということになります。
早稲田文学の公式サイトでは今週中に告知が出るはずです。しかし、このブログで先行的に知らせてよい、というかむしろ話題作りのためにどしどしやれ、との編集長のありがたい言葉がありましたので、ここに記しておきます。
■
募集対象は小説のみ、規定枚数は100枚前後、〆切は2008年12月(日程詳細未定)です。編集長の判断で、今回は批評は受けつけません。詳細は公式サイトでの告知をお待ちください。
東浩紀といえば、この数年、『ゲーム的リアリズム』の書評は出ないわ、『キャラクターズ』は賞の対象にならないわ、某誌も某誌も「今度うちの賞が変わるときには、東さん選考委員に入ってよ」と飲み屋では言うくせに実際にはまじスルーだわ、そのくせ田中和生・ザ・群像新人賞選考委員氏には「だれも東さんを排除してませんよ、あんたの被害妄想でしょ」とか冷笑される、文芸評論家としてはもうみごとなまでに負け組というか、屈辱感あふれる悲惨な境遇の書き手だったわけですが、ここでようやく一発逆転への第一歩というか、まあとにもかくにも、自分の好きな作品をちゃんと「文学」として、すなわち、自分たちだけが文学を代表していると思っている能天気な方々も制度的に無視できないかたちで推薦できる環境を手に入れたわけです。文芸業界はどうせ思想地図もゼロアカもすべて無視でしょうが、早稲田文学だけは無視できないw。だって早稲田文学といえば、あの川上未映子の出身雑誌で、前回の新人賞選考委員は中原昌也ですからね!
というわけで、ぼくはすでに文学賞という制度をハッキングする気まんまんなわけですが、そんなぼくの意図を100%知っているにもかかわらず、口先だけの賛意でなく、制度的にぼくを起用してくれた市川真人編集長に、この場を借りて最大限の敬意を表したいと思います。いや、ほんと、口先だけ頷く編集者とか記者とか、ぼくはもうウンザリなのです……。
早稲田文学新人賞の選考委員の任期は、原則1年です。1年に限って延長もありうるようですが、今回が最後の機会かもしれませんので、ぼくに小説を読んでほしい、というか、ぼくの能力を信頼し、ぼくとともに、「純文学」「文芸誌」と呼ばれる領域に革命を起こしたいと思っているかたは、ぜひこの機会に文章を読ませてください。
繰り返しますが、今回は選考委員はぼくひとりです。ぼくはその環境を最大限に活かし、変なバランス感覚とか立ち位置とかをいっさい考慮せず、自分の趣味と直感だけに基づいて新人賞を選ぶつもりです。だから別に、文学賞をハッキングするとかいって、ラノベやケータイ小説っぽいものを忍び込ませようと思っているわけでもありません。そんな立ち位置ゲームをやっても意味はありません。むしろ、今回ぼくが行うべきは、ぼくのすべての読書経験に照らして、これならもっとも自分を裏切らないで済む、そういう一点を見つけることだと思います。それがもっとも「文学」に対して誠実な態度、というか、おそらくはいまもっともぼくに期待されている誠実さであり、また、ぼくを信頼してくれた編集長に対する最大の恩返しにもなると思うからです。したがって、受賞作は、阿部和重みたいな小説かもしれないし、清涼院流水みたいな小説かもしれないし、新井素子みたいな小説かもしれません。ぼくにもよくわかりません。
というわけで、ぼくはぼくなりに本気なのですが、ただしこういうときは、結果は大外れのこともあるし大当たりのこともあります。したがって(自分自身で思うのですが)、ぼくの直感を信頼できないひとは、今回はほかの賞に出したほうが無難でしょう。ほかの賞でなら無難に評価される水準作も、ぼくの選考ではスルーされる可能性があるからです。ぼくはそういうやつです。
ま、いずれにせよ、文学賞をハッキングするといっても、実際はハッキングするのは応募作の作家であり、選考委員はそれが世に出るのを手助けするに過ぎません。というわけで、こんなふうに気合いを入れたぼくがバカを見ないためにも(笑)、ぜひみなさんの力を貸してほしい。一緒に革命を起こしましょう! せめて、その数歩手前までは行きましょう!
意欲的な作品の応募をお待ちしています。
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