kajougenron : hiroki azuma blog
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ここは、批評家・東浩紀が運営するブログです。東浩紀の経歴や業績については、hiroki azuma portalをご覧ください。
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告知&ゼロアカ道場について補足2
投稿日時:2008年08月06日01:54
こんばんは。東浩紀です。
まず告知ですが、今週土曜日、新宮市で行われる「熊野大学」のシンポジウムに出席します。何年ぶりかで中上健次をぼちぼち読み直しているのですが、『紀州』や『枯木灘』のあの文章を中上はいまのぼくより若いときに書いていたのか!と、いささか衝撃を受けました。そこには、単なる世代の差には還元されない、なんか日本語の質の変化みたいなものがあるように思います。当時30そこそこだったはずなのに、なんで中上はあんなに渋いのか。ブログとか書いていまだに学生気分が抜けない(と言われる)ぼくからすると、それはちょっと驚くべきことです。
あと、その翌日の日曜日、テレビ朝日のサンデープロジェクトに出演します。テーマは秋葉原事件。こちらは生放送なので、ぼくは土曜日、シンポが終わったら速攻で東京に帰ることになります。終電を調べたら、新宮を午後5時半には出なければならないことがわかり、びびりました。
■
で、つぎにゼロアカ道場について補足の2回目です。ゼロアカ道場、とりわけ「道場破り」について、講談社BOXのページにFAQが出ています。あと、文学フリマ事務局の望月さんもブログでいろいろ書かれています。
http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/zeroaka/faq.html
http://d.hatena.ne.jp/jugoya/20080805#p1
さて、後者のブログで望月さんは、「「自分で作って、自分で客を呼んで、自分で売る」というのは文学フリマの、もっと言えば同人誌即売会の根元的なあり方だと思います。今回の企画は文学フリマにとって新しいチャレンジであると同時に、原点に通じる内容なのです」と書かれています。これは、道場破りへの参加を考えているかたに、ぜひ深く受け止めてもらいたい言葉です。
というのも、どうもなんか、この企画が文学フリマで行われる、ということの意味をきちんとわかっていないひとがいる気がするからです。
みなさんご存知のように、ゼロアカの道場破り企画は、予想以上に盛り上がりを見せ、ネットでは幾組かすでに参加表明をしています。実際には参加表明をしても、文フリそのものの抽選で落ちる可能性があるので参加できるのはその半分にも満たないはずです。しかし、それでも、もはや複数チームのエントリはほぼまちがいないでしょう。道場主として、ありがたいと思っています。本当に嬉しいことです。
しかし同時に、ネットのいろいろな書き込みを見ると、ちょっと不安になることも確かです。今回のような前例のない企画では、参加規定にはどうしても曖昧さが残ります。どういうひとがどういうことを考えるのか、こっちにもデータがないからです。ネットには、そういう弱点をうまくつけば一波乱起こせるんじゃないか、と考えているひともいるようです。たとえば、超有名人を連れてくるとか、サクラの買い手を手配するとかです。
けれども、そういうひとは根本的に勘違いをしています。ゼロアカ企画は、別に頓知とか悪知恵を競うものではありません。しかも、最終的な合否はぼくと太田さんが決めます。だから、率直に言えば、ぼくたちに、「こいつやりかた汚ねえな」「こいつせこいな」と思われたら、それで終わりなのです。
なるほど確かに、今回に限っては、ルールの陥穽をつき、文フリ当日に爆発的に売り上げが高いチームがあったら、審査基準を公開している関係上通さざるをえないかもしれない。でも、そんな挑戦者は第5回で落とせばいいだけの話です。繰り返しますが、この企画は、「次世代を担う新しい批評家をデビューさせる」のが目的です。毎回の関門はそのためのステップとしてあります。今回の関門はショー性が高いですが、ショーのパフォーマンスが高かったからといって、適性のないひとをデビューさせることはできません。適性には、むろん真剣さや誠実さが含まれます。
そして、ぼくたちが第4回関門の舞台として文学フリマを選んだのは、ぼくと太田さんが、ぼくたちの考える「次世代の批評家」に、まさに上述のような文学フリマの精神、同人誌の精神に敬意を抱いて欲しい、と思ったからにほかなりません。文学フリマに参加することの意義、文学フリマで本を売ることの意義をしっかりと理解していないひとは、道場破りに参加しても意味がないと思います。文学フリマで売るのが妥当な評論本/評論誌を、ちゃんと作ってください。
ちなみに当日は、文学フリマとは別に講談社BOXのほうでもスタッフを配置し、不自然な購入や売り上げ数のごまかしがないかどうか、最低限の監視をさせていただく予定です。「不自然な購入」とはなにか、とかまた質問が来そうですが、そんなのいちいち定義していたら企画が頓挫するので、常識で考えてください。というか、そういうこともわからないひとは、そもそも道場破りに参加しても意味がないので、挑戦は諦めたほうがいいと思います。
以上、よろしくお願いします。
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