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ここは、批評家・東浩紀が運営するブログです。東浩紀の経歴や業績については、hiroki azuma portalをご覧ください。
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思想地図・扉文1
投稿日時:2008年12月06日17:46
ネットではいまひとつ宣伝が行き届いていない、というよりもなにも宣伝されていない気がする『思想地図』なわけですが、微力ながら売り上げに貢献すべく、特集などに付随した扉文を公開していこうと思います。論文の内容紹介にもなりますし。
以下は、第二特集「インフラ・コミュニケーションの胎動」への扉文です。なお、実際の内容は、最終段階で赤字を入れているため多少以下のものと違う可能性があります。
■
第二特集 インフラ・コミュニケーションの胎動
扉文
なぜ特集が二つあるのか。むろん特集はひとつでありたいところだ。にもかかわらず、ここに第二特集が設定されたのは、「ジェネレーション」の名のもとに座談会を企画し論文を集めるなかで、そこに、テーマとしての「生成」や「労働」や「世代」とは別に、それら主題の地平と交わりながらも、しかし微妙にずれるかたちで方法論の問題が立ち上がってきたように思われたからである。濱野論文や西田論文が示しているのは、労働や生成の新しい問題というより、むしろ労働や生成についての新しい語り口なのではないか。その直感からこの第二特集の企画は始まった。したがって、この第二特集は第一特集と密接な関係をもっている。
この特集には二つの論文と二つの座談会が収められている。濱野智史は一九八〇年生の情報社会研究者。この秋に刊行された『アーキテクチャの生態系』が話題だが、収録論文はその射程をさらに深化させた力作である。西田亮介は一九八三年生の大学院生(慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程在籍中)。西田論文は当初は第二回公募課題(「現代社会に選良は必要か」)への応募論文だったが、編集部の判断で特集枠での掲載とした。濱野と西田には、特集全体の方向性を示す座談会「ソシオフィジクスは可能か」にも出席してもらっている。
かわって特集の最後を締めるのは、小説家・批評家の笠井潔(一九四八年生)、法学者の大屋雄裕(一九七四年生)を招いての座談会「再帰的公共性と動物的公共性」。笠井には『国家民営化論』、大屋には『自由とは何か』というともに自由と権力の関係を主題とした著作があり、本来は現代社会における生権力/環境管理の諸問題を議論する予定だったのだが、終わってみれば、社会とはなにか、主体とはなにかをめぐり、ちょうど濱野・西田座談会と対照をなす内容になったのではないかと思う。むろんそれは、一方が正しく他方が誤っている、あるいは一方が新しく他方が古いといった話ではない。玉虫色の発言に聞こえるかもしれないが、『思想地図』の狙いは、まさに動物的公共性と再帰的公共性の「あいだ」を行くことにあるのである。東浩紀と北田暁大が二人で編集を務めるというのは、つまりはそういうことなのだ。
なお、「インフラ・コミュニケーション」という言葉は、濱野の造語である。変則的な掲載になるが、その意図を以下で濱野自身に記してもらった。(A)
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