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渦状言論へようこそ。

ここは、批評家・東浩紀が運営するブログです。東浩紀の経歴や業績については、hiroki azuma portalをご覧ください。

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東工大授業の顛末について

怒っているのでも疲れているのでもなく、ただただ人々の幼稚さに呆れうんざりしている東浩紀ですが、ぼくの東工大の授業についてシンプルな方針を示しておきます。

1.該当の授業は東工大の授業なので、東工大生以外は原則聴講禁止。

2.もし東工大生以外の部外者が僕の授業に潜り、そのために講義の進行が妨げられる場合、世界文明センターの責任が問われるおそれもあるので、該当者の聴講は固く禁じる。

3.ただし、潜り学生がこっそり存在していたとしても、講義が粛々と行われているかぎり、ぼくはその存在に気づかない可能性がある。

というわけで、2週間ほどまえに記した、「授業に来ればいいじゃん」発言は公的には撤回します。いずれにせよ、授業じゃなくて講演などの機会であれば、質問を受けることは可能です。

で、なんでこんな方針を書くことになったか、の話。

じつはぼくはいま本当に2ちゃんねるもはてなもなにも見ていないのですが、しかたないので昨日の件の報告エントリだけは確認しました。それで、問題の本質(というか本質のなさ)に関わる点で、二つほど報告者=潜り希望者が抜かしている単純な事実があるので、記しておきます。たいした話ではないので、興味があるひとだけ読んでください。

1.この報告者(非東工大生)の方は、最初に嘘をつきました。

該当エントリにもあるように、ぼくはまず教室外の廊下で、「前回まで潜っていたひとは教室に入っていいです」と言いました。10人弱の人間が残りました。しかし、そのときに彼は黙って、しかもぼくの背後のドアから教室に入ろうとした。ぼくが気づいて止め、「君は出てたかな」と問いただしたところ、彼は「出てました」と答えました。これはおかしいな、と思ってぼくが「でも顔を知らないよ」とあらためて問いただしたところ、その男性は「ブログを通して出てるんです、入っていいでしょう」とへりくつをこねはじめました。それで問題のひとだとわかりました。それが、このひととぼくが最初に交わした会話です。

2.報告者とともに来た2人のうちのひとりは、2002年にSFセミナーの合宿部屋でライターさんともにぼくを批判し、2006年にSFセミナーの企画運営でぼくとトラブルを起こし、さらに別のライターさんとともにふたたびぼくに絡んできた、言ってみれば古参の東クレーマー氏でした。

まあ、そういう事実からなにを判断するかは、みなさんの自由です。

でもちょっとだけ付け加えておきましょう。

いちおうぼくとしては、彼らの振るまい(後述のように授業の直前に知りました)が不愉快なことは事実で、その点についての最低限の問いただしを、彼らが誠意をもって聞いてくれれば教室に入れるつもりでした。けれども、問題のひとは最初から嘘をつくし、「ブログに書いた以上俺らを入れろ」の一点張りだったので、そのプランは吹っ飛びました。該当エントリだけ読むとずいぶん違うふうに書かれているけれど、ま、いちおうぼくのほうからは、そう見えるということですね。

あ、それから、この点も記録のなかで(無意識に?)落とされているのですが、ぼくは本当にこの報告者の方はその当日まで知りませんでした。

ブログのプリントアウトを手にしていたのは、授業の直前にあるひとより、「今日東さんの授業に行くとネットで書いて話題になっているひとがいるが大丈夫か」とメールをもらい、そこにURLが書いてあったからです。それで慌ててプリントアウトしたのです。だから矛盾でもなんでもありません(と彼には幾度も説明したのですが、該当エントリでは抜けています)。(ちなみに、さらに正確を期せば、その前の週に「はてなでデリダ関係で東が間違っていることを証明できたら10万ポイントとか言っているひとがいる」という話は聞いていたのですが、あまりにくだらない話なので検索もしていませんでした)

だから、ぼくとしては、本当に、なぜ彼は「東さんは自分を招いた、自分に向けてエントリを書いた」と考えているのか、さっぱりわかりませんでした。いまでもわかりません。彼ははてな界隈では有名なのでしょうか。この点については、彼は単純に誤解をしているかと思います。

さて。

ぼくはどうもむかしから、男性にホモソシアルに好かれるというか、「東さんは拗ねているだけだけど、本当は俺のことを見ている」的に粘着的にまとわりつかれることが多くて、どうもこの性格は自分でももてあましている、というか困っているわけです。今回もぼくにはその一例に見えるわけですが、これを機会に少しははっきり記しておきましょう。といっても、そういうひとには、あいかわらず伝わらないような気もするけれど。

この世界には、ぼくが関心がもてないひとがたくさんいます。むろん、そういうひとの「存在」は尊重しますが、しかしそれは、ぼくのリソースを無際限に提供することを意味しない。そういうひとが来て、ぼくに話をしたり相手にしたりすることを強要したら、ぼくにその場の権利がある場合にはお帰りいただくし、ぼくに権利がない場合はぼくのほうが去ります。

したがって、リアルにぼくと話したいのなら、相応の礼儀と手順を踏んでください。興味があったら授業に来たら、というのは、だれとでもフレンドリーに相手をしますということではありません。たとえば、ブログでぼくのことを罵倒し馬鹿呼ばわりしていても、現実に会ったら肩を抱いて飲みに誘ってくれるとか思っているのだとすれば、それは妄想です。ワセブンシンポやゼロアカ、ネットスターそのほかのせいで、今年はどうも若い読者を中心にカンチガイが横行してしまったようなのですが、あれらはあくまでも期間限定、場所限定の演出されたお祭りであり、そしてぼくの振る舞いもお祭り仕様です。日常はそれとはちがいます。

授業はお祭りではありません。講義もまじめにやっていますので、じゃまされたくありません。お祭りにしか興味がないひとは、来てもお帰りいただきます。

それにしても、今回の件でぼくが唯一反省しているのは、結果的に井口時男さんにご足労願ってしまったところです。上記のひとが、「帰らない、ぼくには授業に出る権利がある」と粘るので、このままだとぼくも教室に入れないと考えてお呼びしたわけですが、正直、あれは格好悪かったw。

次回以降はひとりで対応したいものですね! ←違う

ちなみに、今年の東工大授業は例年になく思想っぽくなっています。けっこう楽しくなってきたので、来年度からは科目名を一新し、現代思想に絞った授業にしようかという気にもなってきました。

次回はドゥルーズ「管理社会について」に戻ります。


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