kajougenron : hiroki azuma blog

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渦状言論へようこそ。

ここは、批評家・東浩紀が運営するブログサイトです。東浩紀の経歴や業績については、当ブログの親サイトに情報があります。hiroki azuma portalをご覧ください。

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blog entries at 【2007年07月】

情報環境論集発売!

 こんにちは。参院選は選挙区も比例区もともに白票を投じた東浩紀です。

 さて、そんな僕の今年5冊目の(5冊目なのか……)著作が数日内に店頭に並びます。東浩紀コレクションの2巻目、『情報環境論集』です。「情報自由論」、「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」、「情報社会を理解するためのキーワード20」が収録され、参考文献表と索引も付した決定版です。僕の情報社会論系の仕事に興味のあるかたは、ぜひお買い求めください。

DSCN5629.JPG

 『文学環境論集』と『情報環境論集』の中身を取り出して、並べるとこんな感じです。『文学環境論集』が文学・サブカルチャー系、『情報環境論集』が情報社会論系といちおう区別されていますが、実際にはかなり内容はリンクしています。時間があれば双方目を通していただけると嬉しいです。

DSCN5630.JPG

 ちなみに、今月の講談社BOXのリリース、僕以外は、西尾維新、清涼院流水、奈須きのこ、竜騎士07と、つまりは太田さんの現在のベストメンバーです。僕の本がそのなかでもっとも部数が少ないのは言うまでもないわけですが、こんな敵を相手に評論本で挑んでいる無謀な僕に同情してくれるかたは、ぜひちょっとでも部数増大にご貢献ください(笑)。

 出版計画というのはたいてい遅れるもので、この本も、当初の予定では5月出版が目論まれていましたが、ずいぶんとずれ込みました。東浩紀コレクションの第3弾、『批評の精神分析』(対談集)は10月か11月刊になる予定です。

ギートイベントに沢城みゆきさんが

すでにこのサイトでも告知したように、8月3日、ロフトプラスワンで『ギートステイト』のトークイベント「オープン・ギートステイト」が開催されます。そのイベントに、沢城みゆきさんが登場することになりました。

沢城みゆきさんといえば、あの『デ・ジ・キャラット』のぷちこ、そして『ギャラクシーエンジェル』のミントのCVを担当された声優さんです。そんな彼女が、いったいなぜこのイベントに? それは実は、この夏からDOCOMOの携帯で配信される『ギートステイト』番外編の音声ドラマに、沢城さんが参加されるからなのです。

問題の番外編なるものは、『ギートステイト』と同じ2045年の南関東州を舞台にしながらも、萌え路線の四姉妹が主人公のコメディで、基本的には本編とは別ものです。僕はその四姉妹の名前を考え、誕生日を決め、ほかいろいろ設定したりしました。それで、打ち合わせの場でぜひ四女(高屋ひぐら)は沢城さんに、そして僕はアフレコに、とか言っていたところ、あっさり通ってしまい、なんとイベントにまで参加してくださることに……。

いずれにせよ、そんなこんなで、8月3日のイベントは声優イベントにもなりました。ちなみに、この情報、まだMouRaでは告知されておらず、いまのところ僕のサイトでだけ告知されています。これは講談社の編集者さんの薦めによるのですが、その理由は、「沢城さんが来ることになった瞬間にこのイベントは激安価格になったので、素で告知すると東さんや桜坂さんの読者がだれも来なくなる可能性がある」からだそうです。そうなの?! オレたちってそんなに競争力ないの?! いやあ、僕と桜坂さんの立場ゼロという感じですが(笑)、それが世界の現実というものかもしれません。

いずれにせよ、そんなこんなで肩身の狭い思いをしている東+桜坂コンビに少しでも同情してくれるひとは、ぜひ早めにチケットを買って、当日応援に来てください。まじで頼みます。

チケット購入方法

当日は、沢城さんのほかにもゲストが登壇します。僕と桜坂さんはほぼ出ずっぱりで、いろいろ真面目な話もするつもりです。また、途中、音声ドラマの記者発表もあるらしく、原作者だというのに僕にもよくわからない詳細が明らかにされるらしいです。つまりは、盛り沢山のイベントなので、来て損はないかと思います。

いずれにせよ、僕は当日、冒頭からハイテンションで飛ばしてモスコミュールを限界まで飲み、壇上では沢城さんから愛蔵のCDにサインをもらってそのまま潰れるつもりなので、その点もご期待ください。

教育相談

こんにちは。

実は僕は、ニュースサイトの投書欄や人生相談欄(とくに読売新聞の「発言小町」)を愛読して、社会常識を学んだり小ネタを仕入れたりしているのですが、そんななか、つぎのような教育相談を見つけました。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/qanda/consul/20070713wn02.htm?from=yoltop

なんと、こんな典型例が! 思わず僕が回答したいとか思っちゃったので、勝手に答えてみます。僕の思うに、この少年の趣味そのものはまったく問題ない。10代後半〜20代前半の男子で、いまあるていど文化的に敏感だったら、半分ぐらいの確率でこういうパターンに陥るに決まっている。僕も20代のころは、同じパターンで母親に心配されていた形跡があります。小説も書いているというし、問題なしでしょう。

ただ、金を盗むのはまずい。僕の思うに、これは前までは親のパソコンで快調にWinnyライフを送っていたのが、それが封鎖されたので行き詰まっているのではないかと。月5000円の小遣いではオタクライフは無理なので、バイトかなにかに誘導したほうがいいと思います。>相談者さま

動物化するポストモダン韓国語訳

ゼロ年代の想像力2

 こんばんは。文化庁ネタではてなブックマークを快調に伸ばした東浩紀です。なんか複雑な気分……。

 さて、そのあまりの持ち上がりに隠れてまったく注目を浴びていないのですが、他方では、ふたたび「ゼロ年代の想像力」について書きました。こちらもどうぞ。

http://blog.moura.jp/geetstate/2007/07/post_406f.html

文化庁レベル低すぎ!

 こんにちは。

 僕の原稿が

http://plaza.bunka.go.jp/museum/beyond/vol1/

 に掲載されました。ご覧のように、「文化庁メディア芸術プラザ」なるサイトのなかのコラムで、クール・ジャパン政策の質の低さを批判した文章なのですが、なんと、その掲載で「検閲」というか、たいへんレベルの低い編集作業を行われてしまいました。

 上記エントリは、先方が自主的に削除してしまうかもしれません。そのときのために画像を上げておきますと、現在(7月4日午後4時)の上記ページは、下記スクリーンショットのようになっています。(エントリ公開後、見栄えの問題で午後6時18分のFirefoxのスクリーンショットに変更)
 
http://www.hajou.org/img/bunkacho200707161547.jpg

 それに対して、僕が6月19日の時点で見せられた公開用サイトのイメージ(いわゆる著者校)はこうなっていました。
 
http://www.hajou.org/img/beyond_vol1

 第三段落末尾がポイントです。著者校の段階では「海外からのお墨つきがなければなにもできない、日本の政策担当者の無力を証明している。」となっていた文章が、公開時には「海外からのお墨つきを大事にする、日本の政策担当者の独特のスタンスを証明している。」に変更されています。むろん、僕の確認などはありません。
 

うわあ……。意図わかりすぎ……。


 このサイトを文化庁の下請けで作成しているのは、月刊誌も出版している、株式会社インフォバーンさんです。そちらの編集者さんからは、昨日(7月3日)午後3時の時点でもメールが来ていたのですが、この修正には一切触れていませんでした。ついさきほど、僕がこのサイトを見て、「検閲」に気が付いて驚愕し編集者さんに電話して抗議をしたところ、僕が言い出す前から「途中の一文の話ですね」と答えが返ってきたので、なんだ知っていたのか、とさらに怒りが深くなりました。彼女の答えは要領を得ないものでしたが、その修正が文化庁の担当者からの要望に基づくことを示唆していました。なお、そこで、結果的にこういう無断修正が行われた以上、著者としても自分の著作物を守るためにそういう編集をされたということはネットで公開する権利があると思うので、よろしくとは伝えておきました。
 
 確かに、編集者が語句を修正することはあります。僕も新聞や週刊誌ではいろいろ仕事をしているので、ギリギリの局面で編集者が文章に手を入れて、事後承諾になることはよく承知しています。たいていはそれでオッケーです。
 
 しかし、今回の問題はそういうことではない。この事例では、いみじくも、知的財産権がどうとか言っている文化庁と、『サイゾー』で威勢のいいことを言っている出版元である名のある企業が、まさにその知的財産権がどうとか言っているサイトにおいて、著者の了解なく著者の文章を、それもまさに官僚批判の文面を和らげるかたちで書きかえ、さらにその変更を著者にまったく知らせず、しかもおそらくは、「こんな変更、著者も忙しいから気が付かないだろう」というスタンスでスルーしようとしていたわけです。こりゃ、さすがにまずいでしょう。著者や読者を舐めるにもほどがある!

 僕だって、文化庁のサイトでクール・ジャパン批判をすれば、編集段階でなにか修正要求が来るかな、ぐらいは思っていたわけです。そして、別にそれにはそれで対応しようと思っていた。ところがそういう相談が一切なく、こんなレベルの低い無断修正をやってくるとは! 官僚と仕事をしていると、こういうところばかり気に掛けるようになるんでしょうか。こんなことをやっても文章の大意は揺るがないと思うけど、きっと、エッセイの全体なんてだれも読んでないんでしょう。
 
 僕のまわりでもクール・ジャパンに関わっているひとがいっぱいいるみたいだけど、彼らはこういうことされても怒らないんでしょうか。いずれにせよ、みなさん、こういうところに文章を出すときは一字一句までチェックしたほうがいいです。

 ちなみにこの短い文章、原稿料は5万円です。文字数の割に原稿料が高いので引き受けましたが、やっぱりそういうことはやるもんじゃないです。請求書を送っていなかったので幸いです。むろん、原稿料などもらいません。

 とにかく、頭が悪く品性が悪い話です。検閲やりたいのなら、ちゃんと正面切ってやってほしいものです。そのほうがまだいい。原稿料はもらえなかったけど、文化庁とかクール・ジャパンのレベルが見えたということで、社会的な使命は果たせたのかもしれません。僕たちが住んでいるのは、こんな国ですよ。

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