kajougenron : hiroki azuma blog

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渦状言論へようこそ。

ここは、批評家・東浩紀が運営するブログサイトです。東浩紀の経歴や業績については、当ブログの親サイトに情報があります。hiroki azuma portalをご覧ください。

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blog entries at 【2007年08月】

新潮10月号で小説を書きました

shincho200710.jpg

 いままでこっそりと進行してきたのですが、9月7日発売の『新潮』で、桜坂洋さんとの共作中篇小説「キャラクターズ」(200枚)を発表します。上記表紙画像にあるとおり、巻頭掲載です。

 内容については、僕と桜坂さんの文学観をあるかたちで表明したもの、という以上には説明できません。批評家としてこの作品に論評を加えることは可能ですが、今回は僕は共作者であり、小説そのものを書いているので、それは控えておきます。

 かわりに、『新潮』編集長の矢野優氏が、新潮社の広報誌『波』に寄せた紹介文を引用しておきます。

異色の作品を掲載する。ポストモダン世代を代表する批評家、東浩紀氏とライトノベル作家、桜坂洋氏の合作による小説『キャラクターズ』(200枚)。近代文学の基盤をなす三角形=私・性・死への<脱構築>が前代未聞の形で決行された。支持であれ批判であれ、読者の幅広い反応を期待する。

 ……というような作品です。

 共作ですから、この作品には桜坂さんの思いも入っています。しかし、それをあえて横に措いて僕個人の思いを記せば、つぎのような感じです。

 僕は、まだ『批評空間』で仕事をしていた20代のときから、長いあいだ、日本の文学や批評は変わらなければならない、と思い続けてきました。そして、ジャンルが変わるというのは、書き手が変わることではなく、また語彙やスタイルが変わることでもなく、最終的にはその読者が変わることを意味します。僕は、それから10年のあいだで、批評については、あるていどその望みを実現できたと感じています。

 しかし、文学については、相手があまりにも大きく、その思いはつねに現実の前に敗北してきました。『新現実』も『ファウスト』も、僕は「文学を変えたい」という思いがあったからこそ、参加し支持しました。そして、今回ふたたび、新しい戦線で、新しい戦略で文学に風穴を開けようとする試みが、この小説です。

 僕がこんなことを記すと、賢さとシニカルさを混同し、業界事情に通じた多くの人々によって、すべてがネタとして回収されそうな気がします。しかし、『存在論的、郵便的』の読者であれば知るように、僕はこういう局面では、愚直なまでに真剣で、むしろそういう愚直さこそが売りの書き手なのです。『キャラクターズ』は、普通に読めばかなり複雑で、仕掛けとアイロニーに満ちたメタ小説ですが、別の観点ではとても愚直な、驚くほどわかりやすい小説のはずです。

 いずれにせよ、東浩紀初めての小説です。ちょっとぐらい期待していただけると、批評家としても嬉しく思います(笑)。

『思想地図』論文公募案内

『思想地図』の公募概要がNHK出版のサイトで公開されました。

『思想地図』(仮題)論文公募のお知らせ

アブストラクトの字数はたかだか2000字。そして〆切は10月15日です。

そしてなによりもこの公募がすごいのは、アブストラクトを出して通って、さらに論文を書いて好評だったら、

いきなり単行本が出る可能性がある

ことです。思想系の書き手であれば、単行本を出すのがどれほどたいへんなのか、だれでも知っているはず。若手研究者や院生(もちろん学部生でも実力があればOK! 大歓迎!)にとっては、これはまたとないチャンス! 振るって応募ください!

9月から10月にかけての予定

 こんにちは。東浩紀です。

 どうも最近、仕事がこんがらがって「最近の予定」欄を更新しなくなって久しいですが、そのうちにきちんとやります。しかし、そんなことを言っているあいだに、ここ以来なにも仕事の告知をしていないことに気が付きました。取りいそぎもろもろ告知をしておきます。

・【単行本】『情報環境論集 東浩紀コレクションS』が発売されました。
・【ネット】『ギートステイト』サイトで下條信輔氏との対話「将来は人間の潜在認知さえもコントロール可能になる」が掲載されました。
・【ネット】『ギートステイト』本編は充電期間のため休みになりました。
・【出版】『週刊アスキー』での「ギートステイト番外編」の連載は続いています。こちらは11月に週アス別冊「2045年の週刊アスキー」に結実する予定です。
・【出版】『フィクションゼロ』創刊号に、仲俣暁生氏、桜坂洋氏との鼎談「探求「話法」のゼロ地点」が掲載されました。
・【出版】『ユリイカ』2007年8月号(特集;澁澤龍彦)に、海猫沢めろん氏、笠井潔氏との鼎談「新本格からセカイ系へ、そしてゲーム的実存へ !?」が掲載されました。
・【出版】去るコミケでフリーペーパー「波状言論号外4号」を配りました。
・【出版】去るコミケでthen-d氏の編集・出版で販売された同人評論誌『永遠の現在』にエッセイ「美少女ゲーム評論という欲望」を寄せました。
・【出版】次号『SIGHT』連載コラムは「ゼロ年代の想像力」ネタです。
・【出版】次号『メカビ』で桜坂さんと対談をしています。「沈黙の艦隊」ネタです。
・【出版】『小説現代』10月号「bookmark」欄に原稿を寄せます。
・【大学授業】後期は東京工業大学で授業をもちます。テーマは昨年と同じ「ポストモダンと情報社会」。金曜日9-10限(16:40-18:10)。10月5日からです。
・【イベント】前のエントリで告知したとおり、9/1と9/2にワールドコンのパネルディスカッションに出席します。
・【イベント】9/15 sat. PM15:00- 青山ブックセンターでトークショーを行います。詳細はこちら
・【イベント】9/21 fri. PM19:00- 日経デジタルコア主催のフォーラムに出席します。テーマは「仮想世界はIT時代閉塞の現状を打破できるか?」です。議論はネット中継予定とのことです。
・【イベント】9/28 fri. 昼 CEDEC 2007のパネル「アドベンチャーゲームの復権!」にディスカッサントのひとりとして出席します。
・【イベント】10/6 sat. 昼 京都SFフェスティバルの本会企画でインタビューを受けます。聞き手は大森望さんです。

 とりあえずは以上です。

 あと、今月末にはNHKブックスのサイトで、『思想地図』発刊のお知らせが掲載され、前に告知した論文公募の概要が公開される予定です。

ワールドコンに出ます

こんにちは。東浩紀です。

先日はコミケのブースで多くの読者さんに会うことができました。ご来場、ありがとうございました。

さて、ふたたびイベント参加のお知らせです。みなさんご存知のとおり、来週、8月30日より9月3日まで、横浜市で世界SF大会(ワールドコン)が開かれます。公式ページはこちらです。海外ゲストも多く来場する、ちょっとしたお祭りです。

僕はそのお祭りで、二つのパネルに出席します。

ひとつは、9月1日の午後2:00に始まる「おたくスタディーズ」で、小谷真理さん、竹熊健太郎さん、永山薫さん、伊藤剛さん、斎藤環さんといったいつもの網状メンバーに加え、マンガ研究者の金田淳子さんと日本学者のマーク・ドリスコルさんが出席する、なんとももりだくさんのパネルです。萌えとかセクシュアリティとかがテーマです。僕は司会を押しつけられたのですが、いったいこの面々をどうさばけというのでしょうか。すでに頭が痛いです。

もうひとつは、翌9月2日の朝10:00に始まる「サイバーパンクと未来への想像力」です。こちらはこじんまりと、巽孝之さん、桜坂洋さんとともに、サイバーパンクと『ギートステイト』の関係を出発点として、いまあるべき未来SFの姿を考える、みたいなパネルです。

今回のSF大会では「日本SF作家クラブ主催の企画」という一群のサブカテゴリがあり、そちらの企画の詳細はここで公開されています。上記二つのほかにも、面白そうな企画が目白押しですので、ぜひご来場ください。

——と気軽に言いたいところなのですが、問題は入場料です。上記ページから辿るとわかるのですが、これが実に高い! 大規模なイベントなので仕方がないのですが、学生さんにはかなり厳しい料金です。

僕のうちも、僕はパネル出席者ということで問題ないのですが、妻は一般参加者で、おまけに宿泊はするはパーティは出るはということで、出費がばかになりません。SFはこういうところで金がかかる趣味なんですねえ。

それでもまあ、気合いの入っているひとはご来場ください(笑)。貴重なイベントであることはまちがいありません。ちなみに、横浜市民だと、当日料金が激安になるようです。

8/19コミケ出店

東浩紀です。

一昨日、昨日と東京は死ぬほど暑かったみたいですね。実は僕はその2日間、乗鞍山麓に(生まれて初めての)キャンプに出かけていました。

したがってそれほど暑くなく——なんてことはまったくなく、標高1600mの高原でも30度は超えていて、とにかく暑かったです。しかしそれでもせっかくキャンプに来たのだからと、じりじりと日に焼かれながら虫を捕ったり山道を歩いたりバーベキューをしたりしたため、死ぬほど疲れました。慣れないことをしちゃだめですね。次回のキャンプでは、タープの下で一日ハンモックに揺られていることにします。

さて、そんな僕は、キャンプ疲れも癒えないまま、明日コミケに出店します。ブースは「ポ-46b」。サークル名は「波状言論」です。

今回は新刊はありません。そのかわりに、僕と桜坂さんが『ギートステイト』とは別にこっそりと行っていた、発表間近なある秘密の作品についてのお知らせが入ったフリーペーパーを配ります。これは本当にフリーペーパーだけのお知らせなので、ぜひブースにお立ち寄りください。ほか旧刊が販売されます。

明日は東京は34度らしいです。コミケ参加者のみなさんは、死なないようにがんばりましょう。夏の東京の最高気温が40度を超すようになったら、夏コミは高原で開催したほうがいいかもしれないですね。これからはオタクも高齢化が進むし……。

思想誌『思想地図(仮)』創刊

こんにちは。東浩紀です。東京はたいへんに暑いです。

さて、以前よりちらりちらりと話題にしてきた北田暁大氏と共同編集で作る新しい思想誌ですが、少しづつ内容が固まってきたのでお知らせします。

新雑誌の仮タイトルは『思想地図』。この四文字で「カルトグラフィ」と読みます。フェリックス・ガタリが好んだあのcartographieです(日本語では「地図製作」と飜訳されている言葉ですね)。タイトルはあくまでも仮題なのでこれから変わるかもしれません。

編集委員は僕と北田さんの二人。版元はNHK出版。判型はNHKブックスと同じ、というよりも、形式的にはNHKブックスのなかの一シリーズとして刊行される予定です。2008年の春創刊。不定期刊行。350ページぐらいで、10人ぐらいの寄稿者を想定しています。

第1号の特集は「日本」。2008年の1月に、創刊シンポジウム「国家・暴力・ナショナリズム——00年代の「思想地図」」(これも仮題)を行う予定。シンポジウムについて、参加者など詳細はまだ確定していません。また、関連企画として、11月26日に、朝日カルチャーセンター新宿教室において、僕と北田さんとの対談講座「現代思想の再生——ポストモダニティと公共圏」が行われます。

執筆者はこれから詰めていく段階ですが、雑誌を創刊する以上、新しい書き手を発掘したいという思いがあり(とくに『批評空間』への投稿でデビューした僕には)、投稿論文を広く募るつもりです。とはいえ、ただ漠然と投稿論文といってもみなさん書きにくいと思うので、『思想地図』では、各号ごとに僕担当と北田さん担当の二つの課題を設定することにしました。また、完成論文をいきなり求めるのではなく、まずアブストラクト(要約)を提出してもらい、編集委員とのやりとりを通じて論文をブラッシュアップしてもらう、という段階的な方法を採ります。

締め切りや分量などまだ未確定の部分がありますが、僕が設定した課題の内容を、こっそりと以下に記しておきます。正式な投稿要領は、近日内にNHK出版のサイトで告知される予定です。変更の可能性もあるので、正式な内容は必ずNHK出版のサイトを見てください。

意欲ある書き手を待っています!

ーー

課題:

1970年代以降の日本の思想あるいは作品(ジャンル、メディアは問わない)をひとつ取り上げ、日本語で考え発表することの意味を軸として、作家論あるいは作品論を展開せよ。

審査:

東浩紀(主査)、北田暁大(副査)

課題説明:

1990年代以降、思想の言語はほぼ英語に統一された。他方で日本では、1995年以降、社会の構造が大きく変わり、思想地図の再編を迫られた。結果として、いま日本の批評的な言説は、国内独自の発展を遂げ、国外との連携を急速に失い始めているように思われる。たとえば、本誌編集委員の東浩紀と北田暁大の仕事には、1995年以降の日本の言論界に無知な、国外の読者に紹介することが難しいものが多数含まれている。

その閉鎖性は大きな問題だが、しかし逆に、「グローバル」なパラダイムが必ずしも思想的な強度を保証するものでもない。もしかしたら私たちは、いま、たいへん思想的に豊かなのだが、しかし、ただ日本語で書かれているという条件のためだけに、その豊かさが忘れられる運命にあるような、そのような袋小路の時代に入り始めているのかもしれない。

本誌はそのような環境のなかで創刊された。本誌が、これからかつての『批評空間』派のようにグローバルな連帯を目指していくのか、それとも宮台真司や大塚英志のように足下の国内的な強度を目指していくのか、その方針は実は編集委員のあいだでも決まっていない。そのような私たちに指針を与えてくれるような、広がりのある刺激的な論考を期待している。


ギートステイトでコスプレを

こんばんは。東浩紀です。

いよいよ明日に迫ったオープン・ギートステイトですが、僕と桜坂さんは、旧日本海軍のコスプレ、いや単なる仮装で登壇する予定です。中佐と少佐です。だからなんだ、という感じですが、ともかくはそういうノリです。ぜひご来場を!

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